Austria(1)

オーストリア篇（1）　都市のトラムと古典電車

"Wedding special tram"of Vienna,Type K No.2319 was built in 1912.
It belongs to Vienna Tramwaymuseum .
I met this Special tram by chance.

"Hochzeitssonderzug"　No.2319
Schottentor Vienna,Austria
'05 Aug.22

2005年の夏は、オーストリアを訪問しました。
この国を選んだ理由ですが・・・比較的国土が狭く、短く限られた休暇期間でも効率よく見られると思っていたから・・・なのですが、ファン垂涎の鉄道やトラムの宝庫であることが、調べるほどにわかってきました。
その結果、時間不足に加え、洪水による列車運休など悪条件が重なり、行きたい場所を多く残すことになってしまいました。
しかし、主要な鉄道はおおかた訪ねることができ、この国の鉄道のエッセンスを味わうことができました。

オーストリアの鉄道紹介、第1弾はトラムと古典電車です。
オーストリアのトラムは、ウイーン、グラーツ、リンツ、インスブルックの４大都市の他、グムンデンに国鉄駅と中心街を結ぶ小さなトラムがあります。今回訪ねたのは、グラーツを除く4箇所です。

ウイーンのトラム
総延長約190km、系統数30余りのウイーンのトラム網は、まちの中心を囲む環状道路「リンク」を周回する時計(内)回りの１系統と、反時計(外)回りの２系統を中心に、市内を網羅しています。
せっかくウイーンを訪ねても街を周る時間が少ない方には、この１系統か２系統に乗って、主なみどころを周ることをお勧めします。
ここには、1986年に初めてヨーロッパの地を踏んだ際に撮影した写真も載せました。

リンツのトラム
オーストリア第三の都市であるこのまちのトラムは、３系統あります。
いずれの系統も、まだ建設後新しい中央駅地下の乗り場から乗車でき、ここから中心街までは、トラムで数分の距離です。
以前はオーストリアでよく見かけるウイーントラム似の車両が多かったのですが、現在は精悍な顔つきの新型車両に変わりつつあります。

ペストリンクベルグ鉄道（Poestlingbergbahn)
リンツ中央駅から系統番号３のトラムに乗ると終点近くに、ペストリングベルクの丘に登る電車の駅があります。
この電車は1898年に開業した電気鉄道で、古典電車がラックレールやケーブルなどを使わず、100パーミリを超える急勾配を平均速度12キロで、ゆっくりゆっくり上り下り。
高級住宅街の緑の林を抜け、巡礼教会のある山頂付近まで向かいます。
わずか2.9キロの距離ですが、ノスタルジーあふれる古典電車のスローな旅。乗る価値あります。

グムンデンのトラム(Strassenbahn　Gmunden　Stern&Hafferl Verkehr)
陶器「グムンデン焼」で知られるまち、グムンデン市街地と国鉄駅の間、2.3キロを小さなトラムが結んでいます。
この電車は、この地方に路線網をもつシュテルン＆ハッフェル交通が運営。同社本社も、このトラム沿線にあります。
ウイーンのトラムに似た1両の電車が、駅前とグムンデン中心街のフランツ・ヨーゼフ広場間を走ります。
駅前を出た電車は、線路脇の自動車が多い道から逸れると、住宅街の100パーミル急勾配を下り、リスボンを思わせる細い道を抜け、トラウン湖沿いの道を街の中心、フランツ・ヨーゼフ広場へと向かいます。
訪問当日は、グムンデンの陶器市開催期間中でした。このため、記念走行のオープン型古典電車GM100(1898年製)を撮影することができました。

インスブルックのトラム
2005年夏現在、インスブルックのトラムは大規模改修工事中のため、残念なことに乗車できませんでした。
このため、1990年撮影の写真をここに載せました。(簡単なカメラで撮影したため、画像があまりよくありません。ご了承ください。)
インスブルックのトラムは、中央駅前から周辺にスキー場などが点在するチロルの村・フルプメス(Fulpmes)に向かうシュトゥバイタール鉄道(STB)に直通する電車が1時間に1本あり、この電車に乗車した時の写真です。