Japan's Nostalgic Rails
suze collection 国内篇

第3回 別府(べふ)鉄道 '83・12

大正・昭和初期の古きよき地方私鉄の雰囲気を残した魅力的な鉄道が、昭和59年1月末まで、兵庫県加古川市にありました。
「別府」鉄道と書いて、「べふ」てつどう。
別府は加古川市内の地名で、九州の別府温泉とは無関係です。
肥料などを製造する「多木化学」が製品輸送を目的に、工場がある別府港から国鉄高砂線(廃止線)野口駅を結ぶ野口線と、山陽本線土山駅を結ぶ土山線の2路線を敷設したのが始まりです。V字形の路線で、別府港駅を下にすると左―下を結ぶのが野口線、右―下が土山線でした。
野口線を走るのはキハ101など、今となっては古典的なディーゼルカーたちでした。
そして土山線はディーゼル機関車牽引の貨客混合列車、しかも客車は2軸のオープンデッキ車など、どちらもまさに博物館のような路線でした。
廃止が迫る冬、そんな鉄道風景をモノクロ写真中心で撮影しました。

右写真:「キハ101」別府港駅にて

別府港駅
貨車の後ろに付けられているのは、古典的客車ハフ7 野口線を走るのは、この「キハ101」
土山線の列車を牽引していたのは、このDB201 ハフ7の乗車風景。子供は車掌さん?に抱えられ。
行き先サボの下の社章は、「鋤」のマーク。 土山に向かう貨客混合列車。
手前の客車はハフ5、元ガソリンカー。奥はバケットカーキハ3。 社章が印象的な木造の車庫とDD502。
左はキハ3。右奥のDLはDC302かと思われる。 日暮れの早い冬の夕方。出札口の光景。

車内
キハ101車内。 ハフ7の座席。背もたれは木製。
ハフ7のハンドブレーキ。

別府港―中野
土山に向かう、DB201とハフ7だけの編成。夕刻、土山線と野口線の分岐付近にて
別府鉄道にとって国鉄の貨物廃止の影響が大きかったことは、この編成からも想像できます。

土山駅
土山から別府港に向けて、機関車はこの向きで走ります。 表示板。後ろの客車と合わせ、撮影時期がわからなくなりそう。。

別府口駅付近
冬枯れの風景の中、「レカー」(レールカー)が行く。線路上だけ、時間が止まっていた。

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