「きかんしゃトーマス」で知られるように、イギリスは世界中で最も鉄道が国民から愛されている国でしょう.。
この国には既に廃止となった鉄道を、ボランティアが引き受け運営するところが多くあります。まさに保存鉄道のメッカとも言うべき国です。
動態保存にすら障壁が邪魔する日本と比べ、国民の「産業遺産」保存に対する考え方は大変積極的で、またうらやましい限りの環境です。
実にバラエティに富んだ鉄道がひしめくこの国の保存鉄道事情を、わずかこれだけの写真で紹介するのは無理かもしれません。
しかしここに紹介する、アイリッシュ海に浮かぶマン島(Isle of Man)は鉄道ファンにとって、イギリス保存鉄道の魅力を凝縮した「宝島」といえます。
船でこの島の中心、Douglasに到着すると弓なりの美しい海岸線のメインストリートを、馬車トラム(Douglas Horse Tram)が往くのを見ます。
そのDouglasから島南部のPortErinを走る蒸気機関車(Manx Steam Railway)や、Douglasから島北部のRamseyを結ぶクラシックな電車(Manx Electric Railway)、その途中のLaxeyから島の展望が美しいSnaefell山へと登る登山電車(Snaefell Mountain Railway)のように、魅力的な鉄道が揃っています。
そして、一旦は廃止されたものの有志の手で復活し、ボランティアにより運営されているGroudle Glen Railway・・・いずれも魅力的な機関車や車両が美しい風景のなかを走る・・・鉄道ファンならずとも忘れられない郷愁にあふれたシーンです。
一方、ロンドンの南約80キロにあるブライトンの、フォルクの電車(Volk's Electric Railway)の路線はわずか1.25マイル(約2キロメートル)。一見ただの遊園地の乗り物ですが、1883年から120年近くもブライトンの海岸を走り続けるイギリス初の電車という、実に由緒正しい電車です。
このことからも、時代に流されることなく古いものを大切にする、イギリス人魂が感じられます。
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