ご存知のように、ヨーロッパでは中規模以上の多くの都市にトラムが走っています。
いずれも車両は新車への更新が進み、施設も停留所の電車接近案内装置など充実し、トラムを「時代遅れの交通機関」と思う人は減っていると思われます。
ドイツの場合も旧西独地域だけでなく、旧東独地域でも設備更新が進んでおり、最新型の連接車や低床車などは色や細部こそ違えど、どこも似たり寄ったりの印象はあります。
しかし、未だにトラムを時代遅れの交通機関として見ているわが国の一部交通行政に、学んでほしい点が多々あります。
いずれの都市も交通機関の結節点としての駅前整備はじめ、街の景観にあった「トラムのある街づくり」が、非常に進んでいます。駅前から商店街などを延々歩かされたあげく、狭い道の停留所からバスに乗り換え、などという利用者無視の街づくりは見られません。

写真は他の鉄道撮影の合間などに撮影したものがあるので、都市ごとに枚数のバラつきがありますがご容赦ください。
(なお、ドレスデンの"Car Go Tram"とボンのトラムの写真が、"Top-Photo Gallery"にもあります。こちらもご覧下さい。)

一方、「懐かしい」雰囲気を漂わせるトラムも少なくなってはいますが、健在でした。
その一つとしてベルリン郊外、SバーンBerlin-Rahnsdorf駅前からヴォルターズドルフ(Woltersdorf)間を走る"Woltersdorfer Strassenbahn"があります。1913年の開業で、90年を迎えました。
今も2軸の小さな電車がトレーラーを牽き、森や街路樹が美しい街並みの住宅街を走っています。